外反母趾の進行をストップさせよう!

・踵周辺、アーチ側面をホールドする靴は外反母趾になりにくい
・外反母趾、小指の痛みは睡眠不足も原因のひとつです


 外反母趾に無縁でいられた人はこれからも無縁のままで。外反母趾の程度の差はあっても、とりつかれた人 は進行を遅らせたり、止めることは可能です。
 一例として、松阪牛の話から始めます。テレビで知ったことですが、最もだと思えるので引用します。生後一ヶ月ぐらいの仔牛をせり市場で買ってきて育てる のであって、特別松阪牛という品種があるわけではないようです。それから約一ヶ月間は粗食にして、十分な運動をさせて、贅肉を落とし、理想的な肉付の体型 を支えるための骨格の基礎をその時期につくり、それから一日一日丹精こめて最適の体型に仕上げながら、最上の霜降り肉の状態に作りあげていくそうなので す。まず骨格作りから始ることに共感を覚えました。
 高度経済成長期が始まる昭和35年以降、昭和40年代になると急激にマイカー時代になり、親は車を持つことがステータスと思い、わずかな距離でも子供の 送り迎えを理由に車を乗り回したくてうずうずしている大人がいっぱいいました。当然子供は歩くのが嫌いになります。子供たちは歩くことをしなくなると、そ の結果はケンタッキーのフライドチキンやブロイラーの肉や軟骨のようにやわらかくなってしまいます。放し飼いの庭鳥の肉を食べたことがあるでしょうか。と ても筋張っていました。いまのキジ肉より歯ごたえがありました。
 鍛える時に鍛えないと、大人になったときに仕事に耐えうる身体ができていません。幼児の歩き始め時から、遊びのなかで必要十分な歩行や走りまわりをしな いと、立って歩く機能が鍛えられず、骨が細く、関節も柔らかく、靱帯、筋肉の強度が不足した身体的能力に欠けた大人になってしまいます。成長期に鍛えてい ない骨や関節や筋肉はちょっとした運動にも耐えられず壊れやすいので、本人の身体能力の限界を超えた運動をしすぎないようにすべきです。適正な運動量は個 人個人で違いが必要です。
 人間社会でまさに松坂牛の育て方と同じことを実践している所があります。それは保育園です。裸足の教育です。特にアーチの形成は10歳ぐらいまでが大事 と言われます。裸足で走り回ることにより筋肉、骨、関節を鍛え、強靱な身体の基礎作りをしているのです。歩き、走り回ってアキレス腱を使えばたくましい踵 が形成され、土踏まずのアーチは自分の体重を一生涯支え続けられる強固な骨組みに形作られ、指はしっかりと大地を踏みしめるのに効果的な親指が長すぎず、 そして小指が発達して、引き締まった指幅のがっちりした安定性のある5本の指が形成されます.またふらつきにくい足首形成の基礎作りの時期でもあるので す。
 もしこの時期に必要十分な歩く、走るがしていないと踵の骨は小さく、親指長く、小指が小さくアーチが低く安定性に欠け細長い足になり、骨も軟骨も、靱帯 も弱々しく、筋肉は筋張っていなく柔らかいままで、じつに繊細華奢な足になってしまいます。華奢な足は若いときには格好いいが丈夫ではありません。30歳 も過ぎると疲労しやすく、それを解消する睡眠時間が不足すると、肩首は慢性的に凝って、腰痛になりやすく、つまづき、よろけやすく、その繰り返しの中で アーチを痛め、足首を痛め。60歳頃には杖のご厄介になる人が多くなるでしょう。しっかりした頑丈な足は若いときには歓迎されませんが60歳過ぎても足腰 が強く健康のありがたみを実感されるでしょう。建物で言えば簡単な土台の上に細い間伐材の柱で作った家と、そうでないこだわりの実践を積んだ大工さんが耐 震性を考慮して作った家と比較するようなものです。
 まさに、外反母趾にならないために幼児期から成長期にかけて適度な運動をする必要があるのです。
 しかしながら外反母趾はだれでもなる可能性があるのです、頑丈な足でも、か弱い足でもその人の能力の限界を超えた刺激を継続して親指の付け根に与えると その部分が炎症を起こし、その炎症を除去するのに十分な睡眠時間をとり、酸素いっぱいの新鮮な血液の循環が指先まで十分にされていないから起こる現象で す。足の疲労した人ほど、血液の循環をとどこおらす正座や足組を好み、ますます血行をを悪くし変形をひどくさせてしまいます。か弱い足は低いレベルの疲労 で変形し、加齢とともに加速度的に外反母趾は進行していきます。
 夜ふかしをしないで、各自の体力に合った、必要十分の睡眠をとっている人に外反母趾の人はいません。ほとんどの外反母趾の人は、同時に開張足でもありま す。開張足は靱帯や筋肉のゆるみで骨格がゆるんでくるのです。どちらも同じ原因です。
 たまった疲労は、足先に血液の循環をうながし、十分な睡眠時間による休息によって除去するように努め、疲労を翌日に残さないこと。靴では踵のホールド 感、土踏まず側面の固定感、調節可能な甲の押さえ。指側面のぴったり感、そして一番長い指の爪がつかえない条件を満たしている靴を履くこと。
 十分な睡眠時間と適正な靴で、絶対外反母趾にならないようにすることは可能です。
(2004/10/24)
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